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ありのままの自分を育むトレーニング

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今、必要なものは何ですか?

せっかくの専門知識がもったいない

ビジネスでの成功は、10%の専門知識と90%のコミュニケーション能力である

 

この言葉はアメリカで5本の指に入る、著名な講演家でビジネスコンサルタントでもある、ブライアン・トレイシー氏の言葉です。最近この言葉の通りだな、と思った出来事がありました。

 

会社で出張の際にお世話になっている、旅行代理店の営業マンの方がいらっしゃいます。その方とは今年の春になってからのお付き合いなのですが、どうも電話越しの会話がしっくりこないのです。

 

勘が鋭い方なのでしょうね。私が説明すると、その先の話を見越して会話に言葉を被せてお話しされます。そしてご自身が、今持ちうる知識を全てお話しされようとするので、とても早口で句読点なく話されます。相づちを打つ隙も与えずにお話されるので、私は一定期間だまって聴いています。そしてやっと話が終わった後に、「もしもし?」聞こえてますよね?の確認をされるのです。

 

この時の私の正直な気持ちは、(出張のスケジュールはまだ予定の段階で、確定させるにはもう少し時間がかかるんだな・・・。旅行代理店としては、可能性のある便を今の段階で押さえておきたい気持ちは分かるんだけれど・・・もう少し待って欲しい)

だから私は、「弊社での優先順位は、まず日程でその次に値段です。候補を何十通りもだされてしまうと、かえって便の確定に時間がかかってしまう可能性がありますので、メールにて2候補位挙げて頂けますか?確定次第、連絡します。」とこのようにお伝えしました。

 

すると相手の営業マンの方は、少しでもうちの会社が希望通りのスケジュールで、且つコストを抑えらる様にと食い下がってきます。「スケジュールが決められないのであれば、自分が直接○○さんにご説明しましょうか?この時期は1日違うと、値段が結構変わってしまうんですよ。」

 

この○○さんというのはうちの会社の責任者で、新規の旅行代理店の話を持ってきた人でもあるのです。嫌な予感はしたのですが、普段からこの営業マンの方はうちの会社の責任者とLINEのやり取りを行っている間柄でしたので、早めに情報が必要なのであればと思い、直接連絡をお願いしました。

 

そして翌日、責任者から言われた言葉が、「なんなんだあいつは。実にせわしない。こちらはお客さんとの予定もあって、すぐにスケジュールを決めることが出来ないと言っているのに。また同じ様なことを言ってきたら、もうあの旅行代理店は使わなくていいよ。」

 

この営業マンの方の名誉のためにも言っておきますが、この方はとても優秀な方なのです。専門知識も豊富で、レスポンスも早い。メールの文章はとても見やすくまとめてくる。なのに、コミュニケーションのとり方が残念なだけなのです。

 

ビジネスでの成功は、10%の専門知識と90%のコミュニケーション能力である

 

冒頭のブライアン・トレーシー氏は、10%の専門知識しかいらないと言っている訳ではありません。持っている専門知識をきちんと相手に届けて協力を引き出す、理解してもらうような力が必要なんだと仰っているんです。

 

ペーシング

まずこの方が持ち合わせていなかったコミュニケーションスキルが、ペーシングです。ペーシングとは、相手の話し方に合わせる方法です。声の大小やスピード、調子、高低、リズムです。そしてペーシングは、相手の考え方や価値観、感情、呼吸にも合わせることができるんです。

せわしない印象や、こちら側の事情を受け入れてくれてないように感じてしまったのは、ペーシングができていなかったのが一つの要因です。そして話の途中で気が付いたことや訂正したい事があっても、最後まで聴くことが実に大切です。最後まで自分の話を聴いてくれなくて、嫌な思いをしたことはありませんか?

この営業マンの方に限らず、私たちも普段の生活でついついやってしまいがちですよね。気を付けたいポイントです。

 

コミュニケーション能力を向上させると、より良い人間関係が得られます。それには信頼関係が必要不可欠です。自ら信頼関係を築く行動を起こしていきたいものです。