kobato room

ありのままの自分を育むトレーニング

Connecting with you.

今、必要なものは何ですか?

これからの自分の生き方

人生の折り返し地点を過ぎた。

日本人女性の平均寿命が87歳。人の一生を時計に置き換えてみると、自分はちょうどお昼をまわった頃。そんな風に考えてみると、もう46歳・・・ではなく、まだ昼過ぎなんだ。活動的に動くのはむしろこれから。

 

何が転機になるか分からない

自分はどこかの組織に所属して、細く長く穏やかに、そして静かに生きていくのが性分だと思っていた。人との衝突を避け、良好な人間関係を築き自分の居場所を確保し続けたい。そんな気持ちから、コミュニケーション能力2級認定講座を受講した。

講座を受ける前の自分にとって、コミュニケーションは感覚でしかない。まわりの人達もそうだった。だからコミュニケーションなんて、誰に教わるでもなく自分の経験値が全てだった。

穏やかに過ごしたいと思う気持ちとは裏腹に、自分の中の正義がときおり顔を出し意固地に振舞ってしまう・・・そんな自分に気付きを与えてくれたコミュニケーション講座。今思えばあの時の出会いが、これからの自分の生き方の舵を大きく切るきっかけになったんだ。

 

日常の変化

コミュニケーションを通じて自分と向き合うようになり、日常に小さな変化が起こり始めていた。それは本当に小さな変化で、きっと誰も気が付いていない・・・

 

私の話に耳を傾けてくれる

事前に情報を共有してくれる

きつい上司のあたりが弱くなる・・・

 

30代。派遣社員という働き方を選択していたので、スキルアップという意味で自分には学びが必要不可欠だった。スキルは自分に価値を与えてくれる。能力を向上させる。だけどこれはあくまでも自分の中だけの変化。一方、コミュニケーションでの学びは自分を変えただけでなく、周りにも影響を与え始めていた。たとえそれが小さな変化でも、私にとっては大きな喜びだった。学びが自分の外に溢れ出た瞬間だったから。

 

 一人ひとりの変化が組織の変化となることを信じて

とは言え、この変化はあくまでも私個人に対しての変化であって、必ずしも周りで似たようなことが起こっている訳ではない。だから・・・

 

コミュニケーションを通じて学んだことを、みんなにも伝えたい

 

個人で実践していくのと、人に伝えるのとでは全くの別物。私がいくらコミュニケーションの講座で学んだことが素晴らしかったかを発信しても、当の本人たちは体験していないので届かない。響かない・・・

だったら今度は、伝える技術を身に着ければいい。

 

そして昨年の12月にコミュニケーション・トレーナー育成コースに参加した。

文字通りトレーナーになるための勉強で、社内研修の一環として講座を開催出来るようになりたかった。一人ひとりの変化が組織の変化となることを信じて。

 

思い込みからの自信

希望に胸を躍らせトレーナーの勉強に突入したものの、待っていたのは自分のみすぼらしさだった。そうなんだ。元々の自分は、細く長く穏やかに、そして静かに生きていく・・・だから目立つ行動も控える、極力普通で良い。このスタンスの人間が、人の前に立ちコミュニケーションの神髄を説いていく。違和感でしかない。

始まったばかりなのに、帰りたくてしょうがなかった。それくらい、自分は【場違い】という感情に支配され、会社の同僚にさえ伝えきれていない自分は、トレーナーを目指す資格がないとさえ思い始めていた。

そんな気持ちの状態で、プレゼンが上手くいくはずなどなかった。プレゼンの数だけ自己嫌悪に陥り、そして泣けてきた。この自己嫌悪の理由は一体どこから来るのだろう?

今だから分かるのだが、あの時、自分に期待していたのは他でもない。自分自身だったんだ。それなのに、あきらかに準備不足。プレゼンでの一言一句を教えてもらえる前提でトレーナーコースに臨み、指導さえ受けたらそつなくこなせる。この思い込みのような自信から、一気に絶望へと突き落とされた。

 

目標は自分のプレゼンをつくりあげること

それから気持ちを立て直し、プレゼンを自分のものにすることは容易ではなかった。

唯一できたことは、今からでもできる準備だった。

 

  • 行動のマネジメント:目標を達成するために必要な行動は何かを考え行動に移す

    事例をイチから考える

    声をだす練習をする

    プレゼンが構成されている順序の意味を考える

    ひたすら家で練習を行う

 

  • 感情のマネジメント:目標へのモチベーションを損なう感情、行動を妨げるようなマイナスの感情をコントロール

    他人のプレゼンと自分のプレゼンを比較しない

    自分の強みと弱みを認める

 

  • ミッション・あり方:そもそもなぜ、その目標を達成しようと思ったのか

    コミュニケーションの質が人生の質を左右することを、会社の同僚に伝えたい

 

 

自分は達成できる人間だった

一度上手くいっても、また次に上手くいく訳ではない。自信と不安が振り子のように行ったり来たり。それでも逃げ出したい、放り出したい気持ちを振り払いトレーナーコース最終日を迎えた。しかしその日はゴールではない。ゴールは1ヶ月後に迫るトレーナー認定試験だ。トレーナーコースの最終日を迎えても自分のプレゼンを完成させてはいなかった。試験までの残り1ヶ月、練習場所を確保して同期とプレゼンの練習を毎週末行った。各々が自分のプレゼンを創り上げるために、最大限の努力と行動を起こした。

 

そして試験当日、心を整えて臨むことができた。

 

試験に向けてできる準備は全て行った。テキストを持たなくても、自分の言葉でプレゼンができるまで練習を重ね、どういう時に頭が真っ白になるのかを把握して、真っ白にならないように作戦を組んだ。そして真っ白になった場合も想定し、練習を積んだ。

 

実際の試験では落ち着いて臨めたが、説明が途中で飛んでしまうことがあった。それでも伝えたいことはしっかりと頭に入っていたので、急遽順番を組み替えて立て直す。最後まで自分を手放すことなくやりきった瞬間だった。

 

自分は達成できる人間だったんだ。

 

そして決して忘れてはいけない、達成できるまでに至った感情のコントロール。これは共に学んだ同期の存在が大きい。彼らがいたからこそモチベーションを保つことができた。自己嫌悪に陥っていたのは私だではなかったんだ。各々が自分に期待して、がっかりして、それでも改善点を受け入れて共に成長してきた。同期と心からの本気で指導して下さった先輩トレーナー、講師の方々には感謝しかない。

 

これからの自分の生き方

この最後まで自分を手放さなかった経験は、私の大きな自信となった。そしてこの自信から新たな思いが芽生えた。

この経験を活かして、今後の自分の生業として生きていきたい

私の時計の針は、まだ昼過ぎ。活動的に動くのはむしろこれからだ。