レンタルなんもしない人 の存在
先日、テレビを見ていて【レンタルなんもしない人】の存在をはじめて知りました。なんもしない人が請け負うことは、飲み食いと、ごくかんたんなうけこたえ。それ以外、なんもできかねます。とのことで、その報酬はというと、国分寺駅からの交通費と※飲食代、基本それだけがレンタル代金となるようです。※飲食代はかかった場合のみ
【なんもしない人】森本祥司さんがこの日、テレビ番組で取り上げられていた依頼は、
掃除をサボらないように、ただその場にいてほしい
草遊びや虫取りするのをただ見守っていてほしい この２件。
（この依頼で料金を支払うなんて・・・お金の価値って一体なんなんだ？？？）と思って番組を見ていたのですが、のちに報酬は交通費のみと知りました。そして、ひとりでやることに抵抗を感じない私にとっては、ただその場にいてほしい・・・という感覚がつかめずに、（ひとりじゃダメかい？）と心のなかで思っていたのです。
ところが番組を見続けているうちに、何かがじわりじわりと心に届いてくるではありませんか。なんだろう・・・依頼者と、この関係・・・
そしてふと気が付いたのです。この関係性が私と兄に似ていることを。私と兄は映画に一緒に行きますが、特に語り合うことはありません。そして映画を見終わった後、ぷらぷらとお店を見て回るのですが、お互い干渉にすることもしません。気を使うことなく、ただ一緒にいる。そんな風に兄との関係を振り返ると、仲の良い友人にさえ私たちは必要以上に気を使っているのかも知れません。自分から誘ったのだから楽しんでもらわなくては、と無意識に思ってるんですよね、そういえば。
そして、ひとりでいることを他人からどう見られやしないか・・・と必要以上に気にしているのかも知れない。
何をするわけでもないけれど、ただ一緒にいてほしい
一緒にいてくれるだけで、なんとなく一歩が踏み出せる
この瞬間、肉親ではなく友達でもなく、ただ見届けてくれる人がいてほしい
私たちは弱くて、寂しくて、不安で、あまのじゃくで、優しくて、楽しくて、強い・・・なんもしないことから、こんなにも心の扉がいくつも開いていくような感覚を味わって、実に感慨深い。
「この世の中、働いてお金を受け取らないかぎり、生きていけないとされています。でも、だとしたら僕はしんどいなって思ったんです。人は果たして、何もしないで生きていけるんだろうか。そうした実験を自らやっているんです」
「子どもは何もしてなくても、いるだけで十分。みんなこうだったらいいのに」
森本さんはインタビューでこのように話されています。いるだけで十分。みんなこうだったらいいのに。いるだけで十分・・・これは自己認識の、その人の存在そのものを表していますが、一方で何もしないで生きていけるんだろうか？とご自身に疑問を投げかけてもいます。森本さんは働くことで報酬を得ていませんが、だれかの役にたてるなら・・・と、ツイッターで発信されていますので、決して何もしていないわけではありません。そしてどうやらこの状況を生き方を、奥様も面白がっているようなのです。だったらこの実験を、森本さんが思うままやって欲しい。
色んな人がいてもいい
企業に属して力を発揮する人がいてもいい
家族で仕事をするもよし
フリーで頑張るのもあり
なんもできなくても、誰かに必要とされているのなら・・・ただそこにいる
いるだけで十分
今回、なんもしない人を通して、私にとってのなんもしない関係性が兄であったことに気づかされました。新しい発見です。そして、そんな兄は私との関係性をどう思っているのでしょうか・・・なんもしない妹・・・少しは兄を労ってみろと聞こえてきそうな、なさそうな・・・
今日も読んでくださり、ありがとうございます。
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